フィラリアというと、犬を飼っている方なら一度は聞いたことがあると思います。
聞いたことはあるけど、実際フィラリアって何?と思う方もいると思います。
そこで今回は、フィラリアについて説明します。
フィラリアとは?
フィラリアとは、寄生虫の事です。
別名は、犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)とも呼ばれています。
糸状とあるように、細長い寄生虫です。
成虫の大きさが、雌が25~30cm、雄が12~20cmで雌の方が大きいです。
フィラリアの成虫の寿命は、5,6年です
検索すると画像も出てきますが、ちょっとグロいです。
検索するときはご注意を!
寄生される原因は?
主に蚊による感染が原因です。
フィラリアが寄生していた犬の血を蚊が吸います。
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蚊がフィラリアの幼虫に寄生されます。
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蚊の中で成長する
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寄生された蚊が、さらに別の犬の血を吸います。
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蚊に吸われた際に成長した幼虫が犬の体内に侵入することにより寄生されます。
これが繰り返されることにより、フィラリアが増殖していきます。
フィラリアの成虫が犬の中で増殖することはありません。
何度も蚊から、幼虫を移されることで増えていきます。
何故かというと、フィラリアが犬の体内で交尾して血液中に幼虫を流します。
幼虫は血液中では、成長することができません。
血液から蚊に寄生しないと、成長できません。
蚊に吸われなければ、そのまま死亡します。
なので、繰り返し幼虫を持った蚊に刺されることで増えていきます。
※全ての蚊がフィラリアの幼虫を持っているわけではありません。
「蚊に刺された=フィラリアの幼虫に寄生された」ではありません。
寄生されると、どんな症状が?
フィラリアに寄生され、現れる症状をフィラリア症といいます。
フィラリアは、犬の心臓や肺動脈に寄生し、様々な症状を引き起こします。
フィラリアは基本的に普段は大人しくしています。
とはいえ、少しずつフィラリアの数が増えれば、心臓や肺動脈に負担がかかります。
そのため、症状が現れ気づいたときには、かなり進行していることもあります。
最初に気づきやすい症状は、「元気がなくなる」や「咳」です。
散歩や運動を嫌がるようになり、頻繁に咳をするといった症状が見られます。
その他の症状は・・・
軽度
・痩せる
・食欲がなくなる
・運動をしていないのに息が荒い
重度
・腹水(お腹に水が溜まる)
・貧血
・血尿
・死亡
などの症状が見られます。
フィラリアは放置しておくと最終的には、犬が亡くなってしまします。
なにか気になる症状が見られたら、獣医に相談しましょう。
治療法は?
治療法はいくつかあります。
それぞれの犬の状態に合わせて獣医さんと相談しましょう。
薬で駆除
フィラリアを駆除するための薬があります。
しかし、フィラリアが寄生しているのは、心臓や肺動脈といった場所なので、一気にフィラリアが死ぬことにより、血管を詰まらせ重篤な状態になる可能性もあります。
外科的手術
フィラリアの数が多い場合や、症状がひどい場合は頸動脈から器具を挿入しフィラリアを取り除きます。
犬の状態によっては、手術できないこともあります。
温存療法
フィラリアの数が少ない場合、それ以上フィラリアが増えないように予防しながらフィラリアが死ぬのを待つ方法です。
フィラリアの寿命は5,6年ありますので、その間ずっと体内にいるので心臓や肺動脈にダメージがあります。
予防法は?
フィラリアに寄生されるのは、症状や治療法を見てもわかるように恐ろしいことです。
なので、寄生されないように予防することが何よりも大切です。
予防薬(幼虫の駆除剤)を投与する
フィラリアが成虫になる前に、幼虫を駆除する薬を投与することです。
幼虫の間に駆除すれば、犬への負担がへるのでフィラリア対策には有効です。
薬の副作用で、嘔吐や下痢などの症状が出る犬もいますが、フィラリアに感染した場合の方が危険だと思います。
なので、少しかわいそうですが、薬を投与する方が安全だと思います。
もちろん、副作用がでやすい犬種もありますので、事前に獣医さんと相談して予防しましょう。
いつから予防すればいいの?予防する時期について
蚊が出始めてから1ヶ月後~蚊を見なくなってから1ヶ月後までです。
例えば、4月に蚊が出始めたなら5月には投与を始めましょう。
そして11月になり蚊がいなくなったら12月まで投与を続けます。
「何故一月遅らせる必要があるの?」と思った方!
蚊が出てすぐは、まだ幼虫が体内にいない可能性があります。
蚊が見えなくなってすぐ投与をやめると幼虫がまだ体内に残っている可能性があるからです。
蚊が出始める時期は、地域によって差がある
蚊は、年の気温などによっても出現する時期が変わる可能性もあります。
かかりつけの動物病院がある場合は、病院から案内がくることがあります。
ただし、病院によってはそういった案内がない場合もあるので、 心配な場合は、一度地域の動物病院に連絡を取ってみてください。
病院からの案内がない場合や、病院に行っていない場合は、フィラリア予防を忘れる可能性があるので、気を付けるようにしてください。
投与する方法は?
飲ませるタイプ、首筋に垂らすタイプ、注射などの方法があります。
それぞれ、投与の頻度や値段が変わってきますので、獣医さんと相談して決めるのがいいと思います。
蚊を出来るだけ犬に近づけない
犬用の蚊取り線香なども販売されています。
散歩するときも、虫よけグッズなどが売られていますので、それを活用しましょう。
最後に
暖かくなってくると、蚊を見かけるようになります。
早いところなら、3月には出てくるらしいです。
蚊といえば、夏というイメージがありますが春先から出てきますので、フィラリア予防をしっかりとしましょう。
暖かくなってきた春先の注意についての記事です。
参考までにどうぞ→「犬の春先に注意すべき事⁉健康管理」
恐ろしい寄生虫ですが、予防さえしっかりしていれば防げますので、愛犬の健康の為に気を付けましょう。